私は、子供には「こういう人になって欲しい」という気持ちはちゃんと伝えた方が良いと思っています。
それは押し付けることではなくて、ただ願うこととしてなのですが。
そして、それは「優しい子になって欲しい」とか「みんなに好かれる子になって欲しい」というような実際的ことではなく、できるだけ抽象的なことが良いと思います。自分の子供には「美しさと楽しさの分かる人になって欲しい」という気持ちを託しました。生きていく中で、何が美しいのか、何が楽しいかが分かれば、やがて自分でそこに向かって歩いて行くようになるはずだと思ったからです。
一番してあげたいことは「生きる力」をしっかり育ててあげること。自分の人生を、ちゃんと自分らしく生ききっていく力を持たせることです。そのためには、人としての理想の姿を伝えることは、大切だと思う。
それは、お母さんがしてあげられることの中でも、とりわけ一番遠いゴールについての話です。でも最初から願うべきことかもしれない。取り立てて強い宗教や倫理観を持たない今の日本社会では、誰も教えてくれないことですが、だからこそ親が語るべきことではないでしょうか。
妊娠期間中にしてあげられること(スタート)から始まって、子供の人生に最終的に願うこと(ゴール)がある。そして、その通過点で大切なことは、あらゆる意味での自立である。まず、その青写真を描いてみると、どう育ててよいかわからない暗闇に立っているお母さんでも、自分のたどるべき道筋が見えてくるのではないでしょうか。
2007/Apr 志村双葉
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